コテが原因でおこる変色「コテサビ」とは?|外断熱塗り壁工法(2022年3月追記)
「コテサビ」とは?
今回は「コテサビ」の話です。
コテサビというのは、鉄などの鋼製のコテで塗り壁を仕上げると、壁の表面に鉄粉が付着し、半年くらい経ってから鉄粉が徐々にサビて広がり黄褐色の色むらとなってあらわれる現象です。
もらいサビとは違う?
上の写真がコテサビの写真です。
もらいサビも同じような色むらになりますが、最初からサビているので塗った直後に現れます。
それと比較すると、コテサビはすぐに現れず半年後くらいに出てきます。
ひどくサビたコテを使って実験すると、下の写真のように狭い範囲でも塗った直後から色がはっきりわかります。
ステンレス製のコテだったら良いのか?
ちなみに、上の実験で使った「ひどくサビたコテ」というのは、実はステンレス製。
ステンレスはサビに強いイメージですが、メンテナンスを怠って表面が傷んだり、マルテンサイト系のステンレスなどでは、サビてしまうことがありますのでご注意を。
↓さすがにこんなコテを実際は使いませんが(笑)
コテサビを防ぐためには?
道具の手入れをきちんとされている一般的な左官業者さんであれば、ステンレス製のコテ(できたらマルテンサイト系以外のステンレス)を使用すれば、コテサビの発生は防げるでしょう。
そのため「傷みのないステンレス製のコテの使用」が大切です。
反対に、ステンレス製であっても傷みがあるものや、鉄製・鋼製のコテの使用はコテサビの原因となりますので、フィニッシュコートの施工時には使用されないようご注意ください。
左官業者さんの認知度は?
コテを販売されている会社のHPなどにも、
「一般的な鋼製の鏝を使用すると、作業中微量に混入する鉄分が酸化し、シミ(サビ)の原因となる可能性があります。」
という注意書きがみられるなど、左官業界でご存知の方も多いかと思われます。
ただ全体的にはまだ認知度が高いとはいえませんので、周知していただけましたら幸いです。
もらいサビとは?
「『コテサビ』は『もらいサビ』とは違い原因により発生する」ということをお話しましたが、それでは「もらいサビ」とはどういうものでしょうか。
例えばこちらの自転車。
使っている間に雨に当たってしむこともあり、ついつい外に放置してしまった結果、いつの間にかサビてしまっていた…という経験をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。
「もらいサビ」とは、このように他で発生したサビが雨や風の影響によって、別の物に移ってしまう状態のことを言います。
自転車以外にも
・脚立
・ホース
・スコップ など、金属を含むものは要注意です。
最近の住宅では、インナーガレージつき、土間収納を広めにとった間取りなどが多く見られますが、それでもついつい外に物を置きっぱなしにしてしますこと、ありますね。
壁へのもらいサビを防いで塗り壁の美しさを保つために、サビやすい物はできるだけ外壁の側に置かないよう気をつけましょう。
サビを落とす方法はある?
サビが出てしまった場合はどうしたらよいのでしょうか。
オメガジャパンがおすすめしているクリーナーがあります。
「リムロクリーンF」という薬剤を使用すると、もらいサビなどの小さなサビは落とすことが可能です。
※一般販売はしていません
外壁のサビ
薄めた洗浄液つけて、ナイロンブラシで軽くこする
水で洗い流す
洗浄後
なおコテサビによる色むら広範囲に及ぶ場合、内部に原因がある場合は、こちらの洗浄方法では対応が難しくなります。
なによりサビが発生しないよう、道具のお取扱い、住みはじめてからの物の置き場にご注意お願いいたします。